【産経新聞】12月30日 掲載記事

福岡県知事選挙の自民党福岡県連推薦候補に昨日決定した武内和久(たけうちかずひさ)氏の記事が産経新聞に掲載されています。
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~自民、武内氏推薦へ 県連方針 現職・小川氏と対決~

自民党福岡県連は29日、来年4月の任期満了に伴う福岡県知事選で、元厚生労働官僚で新人の武内和久氏(47)を推薦する方針を決めた。近く党本部に申請する。現職の小川洋知事(69)がすでに、3選を目指して出馬する意向を表明しており、自民党と現職が対決する構図が固まった。

県連は同日、福岡市内で選挙対策委員会の会合を開いた。公募で書類選考を通過した3人を面接し、武内氏に絞り込んだ。選対委員長の大家敏志参院議員は会合後の記者会見で「満場一致で決定した。県政のビジョンを具体的に語ることができていた」と武内氏を評価した。

武内氏は記者会見に同席し、「福祉政策の充実や経済成長を、スピード感を持って展開していく」と意気込みを語った。

武内氏は福岡市出身で、東大法学部を卒業後、厚生省(当時)入り。平成27年に退官し、コンサルティング会社に勤務。30年4月からは九州朝日放送でコメンテーターを務めていた。

知事選にはほかに、九州大教授の谷口博文氏(64)が立候補の意向を示し、共産党も候補者選定を進めている。

 

~福岡知事選 主導権争いで保守分裂も 「刺客」擁立、麻生氏意向色濃く~

福岡県議会で最大会派を擁する自民党県連が、現職の小川洋知事に「刺客」を送り込む決断をした。県連最高顧問の麻生太郎副総理兼財務相の意向が強く働いた。「麻生派VS反麻生派」の主導権争いも背景にあり、保守分裂の可能性をはらむ。

「福岡のために汗をかいてほしい」。麻生氏は今月27日、都内で武内和久氏と会談し、出馬を促した。武内氏が福祉政策などの将来ビジョンを語ると、麻生氏も「ぜひそれをやってほしい」と共感したという。

「チャレンジ精神に欠ける小川知事のままでは、福岡は成長から取り残される」。麻生氏はかねて、小川氏への不満を漏らしていた。

麻生派は対抗馬を模索した。推薦候補を選ぶ選挙対策委員会のトップには、麻生氏側近の大家敏志参院議員が就き、県連内の議論を主導した。

そこで浮上したのが武内氏だった。元官僚で、地元テレビ局のコメンテーターを務めており、一定の知名度もある。政治家としては未知数だが、経産省出身の小川氏に対抗し得ると判断した。

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◆後ろ盾は

一方の小川氏は反撃を試みた。

今月16日には、福岡を訪れた菅義偉官房長官に、直接出馬の意向を伝えた。菅氏は、政権中枢で麻生氏との意見対立も目立つ。菅氏を「後ろ盾」にしようとの意図とみられる。

反麻生派も、小川氏を担ぐことで、麻生氏の影響力低下を狙う。

今月下旬には山崎拓元副総裁、古賀誠元幹事長ら麻生氏と距離を置く県政界の重鎮が、小川氏と会談した。山崎氏らは、小川氏を応援する意向を示したという。

小川氏は、自民党県連の公募には応じなかった。麻生派が主導する選対委では、落選してダメージを受けかねないからだ。

公募とは別に、推薦願を県連に提出した。自民党の支援を得たいという意思を示すことで、党本部裁定に期待したとみられる。

しかし、県連は小川氏の推薦願を受理しないことを組織決定した。

党本部によって県連の「武内氏推薦」の方針が覆される可能性も、大家氏は「ない」と断言した。

◆流れが変わる

自民県連は近く、公明党にも武内氏支援を要請する。

公明党は、小川氏支援に傾いていた。それでも、自民県連関係者は「明確な対立軸ができたことで流れは変わる。小川氏を推薦しないのであれば、自主投票でも良い」と語った。

流れが変われば、「現職だから」と支援していた経済界なども、小川氏から距離をとる可能性がある。

関係者によると、麻生氏や安倍晋三首相との距離が近い福岡市の高島宗一郎市長は、武内氏の支援に前向きだという。大票田の首長を敵に回すことは、小川氏にとって大きなダメージとなる。

小川氏包囲網は、確実に狭まっている。 (小沢慶太)

<産経新聞12月30日 掲載記事抜粋>