鴨猟 宮内庁鴨場

天皇陛下の思召による鴨猟にお伺いして参りました。

鴨猟は、宮内庁の所有する千葉県市川市にある新浜鴨場において催される宮中行事です。

朝10:00に新浜鴨場に到着すると、長靴、手袋、帽子、上着を着用します。

「元溜」といわれる約4千坪の池に集まっている鴨を、よく馴らされたアヒルをおとりに使って、小さな溝(引堀)に誘い込み、飛び立つところを叉手網(さてあみ)を使って捕えます。
徳川時代には鷹を放って捕えていましたが、明治の初めに叉手網を用いて捕える方法が考案され、今日に至っています。

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鴨は音や匂いに敏感なので、鷹匠と呼ばれる方の合図があるまで静かに待機します。
鷹匠が合図をすると、式部官の後に続いて、引堀という小さな溝に向かって走ります。そして、自分と同じ番号札をつけた人と溝をはさんで向い合わせになり定位置につきます。

おとりであるアヒルが池から引堀に向かって泳いでくると、鴨がそれについて堀に入ってきます。そこで鷹匠が餌をまいて、鴨を堀の奥へ誘導します。

堀に入ってきた鴨は人に驚いて飛び上がろうとしますが、堀の幅が狭く、土手が垂直にできているため、垂直にしか飛び上がることができません。そこで飛び上がってきた鴨を叉手網を振り捕えます。

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捕えた鴨は、国際鳥類標識調査に協力するため、足環をつけて、種類や体の大きさを記録し放鳥します。
このことは鴨の生態や分布を知るうえで、これまでも広くその研究に役立っているそうです。

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鷹匠の方と
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鴨猟が終了した後は、鴨場で繁殖している合鴨をごちそうになります。かつては、捕獲した鴨を食べていたそうですが、動物愛護のため、食べるための合鴨を養殖するようになったそうです。

帰りには御下賜品を頂戴いたしました。
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菊のご紋の入った三笠山や葉巻です。
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最後に代表者が皇居にて御礼記帳をして終了となります。
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