北朝鮮の核実験に対する緊急党声明

北朝鮮の核実験に対する緊急党声明

平成28年9月9日
自 由 民 主 党

本日、北朝鮮が5回目となる核実験を実施した旨の発表を行った。

わが国をはじめ国際社会は、北朝鮮に対して、関連の国連安保理決議の完全な遵守を求め、核実験や弾道ミサイル発射等の挑発行為を決して行わないよう警告と要求を繰り返してきた。こうした中、本年に入って運搬手段である弾道ミサイルの発射を既に21発実施したことに加え、本日、核弾頭能力を高めるためとして1月に引き続き核実験を再度強行したことは、わが国に対する直接的脅威であり、極めて強く非難する。

今回の北朝鮮による核実験の実施は、国連安保理決議第2270号をはじめ関連安保理決議に対する明確な違反であるばかりか、核兵器不拡散条約(NPT)を中心とする国際的な軍縮・不拡散体制に対する重大な挑戦である。また、日朝平壌宣言や六者会合共同声明にも違反し、北朝鮮との対話を通じた問題解決に向けた動きにも逆行するものであり、断じて容認できない。

政府に対して、断固たる抗議の意思を表明するとともに、更なる核実験の場合には北朝鮮に対し更なる重要な措置をとる決意を表明した国連安保理決議第2270号を念頭に、国連安保理での対応を含め、米国、韓国、中国、ロシアを始めとする関係国と緊密に連携し、制裁の強化を求めるなど、外交努力を行うことを要望する。また、国連安全保障理事会で新たな制裁決議がなされる場合、必ずその理由に拉致を含む人権侵害を明記させることを強く求める。

拉致問題に関し、北朝鮮が、平成26年5月の日朝合意を履行しないばかりか、本年に入って特別調査委員会の解体を一方的に宣言するなど、不誠実な対応を続けていることは極めて遺憾である。政府は、昨年6月に党拉致問題対策本部から提言した13項目の制裁強化策の内、未実施の部分について早急な実施を検討するとともに、全ての制裁事項の実施の徹底を図るべきである。

今回の北朝鮮による核実験を踏まえ、今後とも、政府として、国家の防衛と国民の安全確保のための施策の一層の充実に万全を尽くすことを求める。